[[書評]]
|言葉-アイヒマンを捕らえた男|
|山崎正和|
|中央公論新社|
戯曲集。アイヒマンがアルゼンチンでモサドにより拘束されて、イェルサレムに連れて行かれるまでの、モサド隊員とアイヒマンの交流?の物語。もちろんモサドにも、アウシュビッツで、親戚や親を殺された人もいて、もうさっさとアイヒマンを殺してしまいたいのも山々なのだが、それでは単なる拷問になってしまうのでそれは人として許されない。
隊員たちは、どうしてアイヒマンが600万もの人間を殺せるのか聞きたがる。アイヒマンは仕事で命令だったと、答える。アイヒマンが普通の子役人のおっさんだったってことが良く表現できていると思う。そして、普通のおっさんが、何百万人も殺せてしまうことが現代的で恐ろしい。

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